鉄道旅客事業の運賃改定について

2015.09.10
お知らせ
平成27年9月30日
銚子電気鉄道株式会社
               
鉄道旅客運賃の改定について
 
銚子電気鉄道株式会社では、本年6月29日に関東運輸局長あての鉄道旅客運賃の変更認可申請を行い、9月10日に認可を受けました。これに伴い10月1日より運賃の改定を実施いたします。改定の理由及び内容は以下の通りです。
 
1.改定理由
当社は1923年の開業以来、90年以上の間、通勤・通学など市民の足としてのみならず、銚子観光に欠かせない鉄道として、沢山のお客様に親しまれてまいりました。
しかしながら、1970年代には年間150万人を数えた輸送人員は、少子化による通勤・通学需要の頭打ちや自動車依存型のライフスタイルの定着などにより年々漸減し、赤字基調の苦しい経営が続いております。
加えて、東日本大震災後は乗客数が50万人を割り込み、業績が急激に悪化する中、軌道の整備や老朽化した諸施設の更新に掛かる費用の捻出が困難となったため、平成24年12月、銚子市に対して支援を要請するに至りました。
その後、千葉県中小企業再生支援協議会の支援を受けて平成25年11月、向こう10年にわたる経営改善計画を策定致しました。
改善計画の基本方針として、鉄道事業における安全対策の強化を第一に掲げ、収益増加とコスト削減のための諸施策を着実に実行し、最大限の自助努力によっても賄いきれない部分については、利用者負担と公的支援を受けることにより鉄道の存続を目指すことを骨子としております。
上記計画に基づき、人件費削減をはじめとした様々な費用削減のための自助努力と収入増につながる営業努力を続けておりますが、企業努力のみでは収支の改善が図れない見通しとなっております。そこで安全輸送の確保と更なる利便性の向上のため、心苦しい限りではありますが、鉄道運営に係るコストの一部をお客様にご負担いただくことにより、鉄道事業の経営の健全化を図ることを目的としております。
なお、昨年4月から消費税率が5%から8%に引き上げられました。弊社におきましても、輸送サービスの対価である運賃に消費税率引き上げ相当分を適正に転嫁させていただくため、当該部分を含めて運賃の改定を行うものです。
2 主な改定内容
(1)改 定 日 平成27年10月1日
(2)改 定 率 12.1%
(3)初乗り運賃(1km まで) 180円(現行150円)
(4)改定率一覧
 

  改  定  率
     定 期 外 12.0%
 定  期  通  勤 12.5%
 通  学 12.2%
   計 12.4%
     合   計 12.1%

 
3 申請運賃の内容と現行運賃との比較表
(1)普通運賃(対キロ区間制)
1キロ毎のキロ程の区分を変えることなく、1キロまでの初乗り運賃、1キロを超え2キロまでの運賃及びその後1キロ毎の区間運賃差額について、それぞれ30円の値上げとすることとしました。
 
(2)定期旅客運賃
普通旅客運賃を基礎として、次の割引率により計算した額とします(割引率は従前通り)。 割引率              通勤  4割引   通学 6割引
 
*普通旅客運賃の計算方法

種 別 現  行 申  請
営業キロの 計算 1キロメートル未満の端数は、これを1キロメートルに切り上げる。 1キロメートル未満の端数は、これを1キロメートルに切り上げる。
 
 
運賃計算方法
大人片道旅客運賃
1キロメートルまで    150円
1キロメートルを越え、5キロメートルまで
1キロメートルを増すごとに30円加算
5キロメートルを越え、7キロメートルまで   310円
大人片道旅客運賃
1キロメートルまで    180円
1キロメートルを越え、5キロメートルまで
1キロメートルを増すごとに30円加算
5キロメートルを越え、7キロメートルまで   340円
 

*普通旅客運賃

営業キロ程 現行運賃 申請運賃
1キロまで
150
円180
1キロを越え
2キロまで
 
180
 
210
2キロを越え
3キロまで
 
210
 
240
3キロを越え
4キロまで
 
240
 
270
4キロを越え
5キロまで
 
270
 
300
5キロを越え6キロまで  
310
 
340
6キロを越え
7キロまで
 
310
 
340

 
*定期旅客運賃(大人通勤1ヶ月)

営業キロ程 現行運賃 申請運賃
1キロまで
5,400

6,480
1キロを越え
2キロまで
 
6,480
 
7,560
2キロを越え
3キロまで
 
7,560
 
8,640
3キロを越え
4キロまで
 
8,640
 
9,720
4キロを越え
5キロまで
 
9,720
 
10,800
5キロを越え6キロまで  
11,160
 
12,240
6キロを越え
7キロまで
 
11,160
 
12,240

 
*定期旅客運賃(大人通学1ヶ月)

営業キロ程 現行運賃 申請運賃
1キロまで
3,600

4,320
1キロを越え
2キロまで
 
4,320
 
5,040
2キロを越え
3キロまで
 
5,040
 
5,760
3キロを越え
4キロまで
 
5,760
 
6,480
4キロを越え
5キロまで
 
6,480
 
7,200
5キロを越え6キロまで  
7,440
 
8,160
6キロを越え
7キロまで
 
7,440
 
8,160

 
 
*主要区間運賃比較                     (単位:円)

    普  通 通勤定期(大人1ヶ月) 通額定期(大人1ヶ月)
現行運賃 申請運賃 現行運賃 申請運賃 現行運賃 申請運賃
銚子~観音 180 210 6,480 7,560 4,320 5,040
銚子~本銚子 180 210 6,480 7,560 4,320 5,040
銚子~笠上黒生 210 240 7,560 8,640 5,040 5,760
銚子~海鹿島 240 270 8,640 9,720 5,760 6,480
銚子~犬吠 310 340 11,160 12,240 7,440 8,160
銚子~外川 310 340 11,160 12,240 7,440 8,160

 
 
 
4 鉄道部門収支の実績及び推定           (単位:千円)

科    目 25年度 26年度 27~29年度  
    現行運賃 申請運賃  
 
収  入 収入合計(A) 86,193 92,809 259,788 283,481  
(うち旅客運賃) 79,576 72,791 196,219 219,912  
  (うち定期外) 67,625 61,729 165,831 185,771  
  (うち定  期) 11,951 11,062 30,388 34,141  
原  価 費用合計(B) 180,913 210,455 585,363 584,286  
差引損益   -94,720 -117,646 -325,575 -300,805  
配当所要額(C)   244 242 726 726  
再差引損益   -94,964 -117,888 -326,301 -301,531  
収支率 A/BX100 47.6 44.1 44.4 48.5  
A/(B+C)X100 47.6 44.0 44,3 48.5  

 

5 輸送人員の推移及び今後の見通し           (単位:人)

年度 輸送人員計 定期外利用者数 通勤定期 通学定期
(大人)
通学定期
(小人)
25(実績) 468,584 325,784 40,440 66,540 35,820
26(推定) 441,238 304,023 38,305 68,752 30,158
27(推定) 416,483 286,236 37,407 67,241 25,599
28(推定) 397,557 275,034 36,379 65,514 20,630
29(推定) 377,661 260,474 35,905 64,717 16,565

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
6.設備投資実績・計画
平成26年度(実績)

区  分 種  別 工  事  内  容 数  量 所要額 竣 工
千円 年月日
線路設備 マクラギ 木製マクラギを同種交換 200本 4,000 H26.11.30
線路設備 レール 40Nレールを同種交換 300m 5,000 H27.1.31
線路設備 軌道道床 砕石補充、突き固め 416m 3,000 H26.10.31
車両設備 車両 車両の全般検査(2000形 2編成(4輌) 25,000 H27.3.10
信号保安設備 踏切保安設備 観音踏切遮断器交換(基礎部改修含む)4基 5,718 H26.11.30
その他工事 21,900
合 計   64,618

平成27年度(計画)

区  分 種  別 工  事  内  容 数  量 推 定 額
千円
線路設備 マクラギ 木製マクラギを同種交換 300本 6,000
線路設備 道床 砕石補充、突き固め 650m 8,000
線路設備 軌道 軌道整備費用、保安用品費 9,200
電路 踏切 踏切設備更新 変電設備機器更新 10,930
電路 電線 電線張替 1,752
信号保安設備 信号設備 制御器の変更、信号機新設、軌道回路新設   100,000
車両設備 車両 1001号代替更新 伊予鉄道700系電車を導入 75,000
車両設備 車両 機器修繕、部品交換 1,500
合 計 212,382       

平成28年度(計画)

区  分 種  別 工  事  内  容 数  量 推 定 額
千円
線路設備 マクラギ 木製マクラギを同種交換 200本 4,000
線路設備 レール 銚子~外川間分岐器用レール交換 1,000
線路設備 軌道道床 砕石補充、突き固め 400m 5,000
線路設備 軌道道床 軌道整備、発電機・投光器及び測定機器 7,200
電路設備 電路 電車線路修繕資材費、踏切設備更新 10,700
車両設備 車両 部品交換、機器修繕 1,500
合 計 29,400

平成29年度(計画)

区  分 種  別 工  事  内  容 数  量 推 定 額
千円
線路設備 マクラギ 木製マクラギを同種交換 200本 4,000
線路設備 レール 銚子~外川間分岐器用レール 1,000
線路設備 軌道道床 砕石補充、突き固め 400m 5,000
車両設備 車両 車両の全般検査(2000形 2編成(4輌) 28,500
信号保安設備 踏切保安設備 観音踏切遮断器交換(基礎部改修含む)4基 9,748
防護設備 8,452
合 計   56,700

 
 
 
 
7. これまでの経営合理化の状況及び今後の取り組み
 
(1)経費削減策としては、社員削減及び勤怠管理の徹底、更に勤務体制(シフト)の変更により人件費の圧縮を実施しており、従前に比して1,000万円超の人件費削減を行っております。
(2)鉄道営業における増収策としては、以下の方策を実施しています。
①イベント列車(枡酒列車、ワイン列車、ハロウィーン、サンタクロース列車、アクションヒーロー列車、怪談列車等)の運行
②貸切列車の運行
③JRとのタイアップ(ぽっぽや体験(出庫、車掌体験))
④ネーミングライツの取り組み(27年5月~)
⑤沿線住民やボランティアとの協同による各種イベントの実施
(沿線におけるひまわり畑の整備、駅舎内の花植え、スタンプラリーなど)
今後とも安全輸送の徹底を標榜しつつ、利用者サービスの最大化に努めて
まいります。
 
8. 利用者サービス向上策について
 
今回の運賃改定は、安全輸送の確保と利便性の向上のため、鉄道の運営に必要な費用の一部を利用者にご負担頂き、以て鉄道事業の経営健全化を図ることを目的としております。
そのための具体策として、以下の施策を行ってまいります。

  • 利便性の向上策として、利用者ニーズに合ったダイヤ編成(夕方以降の増便)や地元商店とタイアップしたお得な1日フリー乗車券(弧廻手形)の発行を通じて、地元利用者と観光客に対するメリットを最大化する。
  • 安全輸送の確保及び快適性向上のため、道床工事(砕石補充、突き固め)、レール・枕木交換、遮断機更新を始めとした軌道関係の整備を行う。また27年度において新車両の購入を実施する。

 
運賃改定申請に関するお問い合わせ先
銚子電気鉄道株式会社 総務部 担当/山口
TEL 0479-22-0316

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